備陽史探訪の会ぶら探訪
2023/03/04(土) 座床・四ツ樋周辺をディープに探訪 <2/5>

 

 舟入番所跡を横目に大山樋門・大山ポンプ場≠ヨと向かいます。

 ◆舟入番所跡(正保頃)

 入江に出入りする船改めとして寛永18年頃吉津川河口、古座床入口に造られた。
 後に座床が吉津川河口に移るに従い、古座床南に移る。

 ・福山領分語伝記
 一、此御代(勝俊)二人を殺し船に乗候而追(逃)去候者有之、夫より川口御番所始り、出入御改出切手等相始候(と)申候。
 一、新橋より川口御番所まで八丁。同所より手城三ツ樋迄弐拾五丁。

 ・小場家文書(寛永18年勝俊書状)
 一、舟入番所、(神谷)治郎と致談合、川口北の堤さき、薬師のまへの川も見へ候所ニ、立候由尤候。

 ◆大山樋門・大山ポンプ場
 吉津川の水を海に排出するための樋門である。現在は大山樋門自体は使われておらず、凡てポンプによる排水となっている。

 大山樋門からは、座床を横目に吉津川と手城用水の分岐点へと向かいます。

 ◆座床
 勝種の時代に古座床からこちらに移った。古座床が徐々に埋まってきたためと思われる。吉津川は元々上記の様に吉津に?がる入江であったが、手城新田造成に伴い現在の国道の位置で堰き止め淡水化して手城用水とした。その下流側を整備して座床としたのである。現在の大山樋門あたりが座床の出入り口であった。

 ◆手城用水
 手城新田が寛文6年造成され、その農業用水として吉津川を堰き止め手城の用水とした。末端は手城川に?がっている。この用水路の北は上井出川からの水で潅漑される。


 いつの時代か分かりませんけど、戦後の昭和20年代には、この吉津川と手城川の分岐点に、色んな方々が犬やネコの死骸を投げ込んでいましたとか…
 そんな経緯もありまして、この西側に隣接しペット霊園(あいみんペットメモリアル)が設置されましたとか(^-^)//"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 吉津川と手城川の分岐点からは、手城川に沿って洋服の青山本社方向に少し進み、右折し、福山みなと公園方向にと戻って行きますと、右手に港町公園≠ナす。
 公園内の一角には、小さな社と蛙岩≠ェ…
 説明板には、こんな記載がありました。


 ◆蛙岩の伝説

 西浜の沖の蛙岩というは、この処に年経たる大蛙ありしが、或時大蛇来りて呑まんとす。蛙逃げ廻り詮方なく恐ろしさの一念こって岩となる。大蛇は喰わんと見れども岩となりければ呑むこと出来ず、大いに気を落とし一念こって、島となり、現在の深津高地となれり。
 (江戸時代の作、西備名区より)

 
--- 深津史跡顕彰会 ---

 昔はもっと大きな岩でしたようですけど、経年とともに風化により、現在の大きさとなりましたようです。此処が埋め立て前には海でした時代の岩礁が残存と言う事なんですねぇ〜
 WEB上には、こんな記載も…

 ◆蛙岩(港町公園に残る深津高地と神宮皇三后の伝説)

 --- 2012年10月1日「備陽史探訪:168号」より https://bingo-history.net/archives/12649 ---

 江戸時代後期に書かれた西備名区に、
 「西浜の沖の蛙岩というは、この処に年経たる大蛙ありしが、或時大蛇来りて呑まんとす。蛙逃げ廻り詮方なく恐ろしさの一念こって岩となる。大蛇は喰わんと見れども岩となりければ呑むこと出来ず大いに気を落とし一念こって、島となり、現在の深津高地となれり。」
 とある。また西備名区に収められている前記の伝説とは別に、
 「神宮皇三后が朝鮮にお渡りになっての帰り、暗夜当所を航海の際、蛙の泣き声聞かれた。蛙の鳴き声を聞くからには左方は陸にちがいない、と考えになり、直ちに面舵と命じられて船道を右に転じられた。ところが陸地と思われたのは実は頂を海上に露出している一大岩礁であった。もしこの時、蛙の鳴き声がしていなかったなら船は坐礁し、沈没の危機を免れ難いところであった。これにより蛙岩と名付けられた」
 という伝説もある。
 現在の蛙岩は、長さ1メートル程度で高さ50センチ位の岩が地面から覗いているに過ぎないが、上の写真を見ると、周囲は現在のように埋め立てられておらず、二段構えの大岩だったことが判り、これなら深津高地からもはっきり確認でき、まこと大蛙が座っている様にみえるのでは?
 この写真は深津小学校高学年用副読本「郷土読本」の復刻版(平三成15年発行)に掲載されており、原本の発行が昭和6年4月20日とあるので、それ以前の蛙岩を撮影した写真ということになる。


 …と、こんな記載が。
 公園内中央部には、ベンチで囲まれた中にも石が設置されていましたけど、これは何なのでしょうネ。モニュメント(オブジェ?)なのかも分かりませんけど、何にも説明板がありませんから…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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