岡山県成羽町 吹屋ふるさと村 <3/8> |
ベンガラ
九谷焼や伊万里焼など、陶磁器の絵付けなどに使われる赤色の顔料が、ベンガラ(紅殻)。瓦や木材の防腐剤としても用いられ、中国地方ではベンガラ色をした家屋などとしても馴染み深い。
ベンガラの名は、インドのベンガルに由来していると言われる。朱とともに最も古くから用いられた赤色顔料である。
吹屋の弁柄は吉岡銅山との関係が深く、銅山の捨て石である磁硫鉄鉱(硫化鉄鉱)から偶然発見されたと言われる。
国内随一の品質といわれた吹屋ベンガラの生産は江戸中期から昭和40年代まで続き、銅山採掘とともに、この地域の貴重な産業だった。
このベンガラ館は、かつての工場を資料館として再利用。ベンガラの歴史や製造工程などがよくわかる。
ベンガラ館
弁柄は江戸中期(宝永4年、1707年)全国ではじめて吹屋で生産されて以来、江戸末期、明治、大正と大いに繁昌を続け、吹屋町町並みの基礎をつくりました。このベンガラ館は、明治の頃の弁柄工場を当時の姿に復元したものです。
往時、この谷合には弁柄工場が4ヶ所ありました。
吹屋を繁栄させた弁柄産業も、昭和47年の銅山の閉山に続いて昭和49年にその製造を終えました。
↑↓ 釜場室内の景観です(^.-)☆ (左)水洗碾臼室 (中)釜場室 (右)干棚
釜場室
原料の緑礬(ローハ)をよく乾燥して焙烙に少量ずつ盛り、それを200枚前後土窯の中に積み重ね、松の薪で700℃位の火力にて1日〜2日焼くと赤褐色の焼きが出来ます。
次に酸の抜けたものを干板に薄く延ばして干板の上に並べ、天日乾燥をします。それが製品の弁柄(ベンガラ)です。
昔は、そのままのものを板流しと呼んでおりました。また、トンコと言う篩いにかけてケシ状にしたものもありました。
緑礬(ローハ)とは
緑礬(ローハ)はベンガラの直接の原料である。緑礬の原料は鉱山から掘り出される磁硫鉄鉱であり、緑礬工場で加工製造される緑色の結晶体である。
ベンガラの用途
漆器用、陶磁器用、建築用、ゴム配合用、ペイント用、製紙用、製瓦用、印刷インキ用、燐寸用、皮革用、研磨用、その他
(右)水洗碾臼室
水洗碾臼室
焼キを水洗碾臼室に運び、水を加えかき混ぜる方法で粗いものと細かいものにより分けます。それを、より細かくするために水車を動力とした石臼で碾きます。
次に、
脱酸水槽室
含まれている酸分を抜くために脱酸水槽室に送り、奇麗な水を入れてかき混ぜる方法を数10回から100回くらい繰り返して酸を抜きます。(ベンガラと水は絶対に溶け合わないので時間が経てばベンガラは沈殿し、酸の溶けたうわ水を棄てるという方法です。)
↑↓ 水洗碾臼室の景観です
(右)脱酸水槽室です
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