広島県福山市 中国04総体(BOAT) <1/5>
全国高等学校総合体育大会とは

 この大会は、昭和23年の全国高等学校体育連盟の創設以来、競技種目別選手権大会として、全国各地でそれぞれ開催されていましたが、昭和38年の新潟大会から競技種目を統合し、名称も「全国高等学校総合体育大会」として、夏季大会及び冬季大会を開催することになりました。

 さらに昭和40年より、同一ブロック内で開催するようになり、年を追うごとに、規模、内容等において高校生最大のスポーツの祭典として発展してきました。

 特に開催都道府県では、この大会のために県民の協力のもと、すべての高校生が競技あるいは運営のいずれかに携わるよう配慮がなされてきました。また、高校生一人一役推進委員会等が中心となり独自の歓迎プラン等をつくり、環境の美化や、地域社会との共同のまちづくりに多くの効果をあげています。

 さらに、平成6年度から参加資格が拡大され、より多くの高校生の友情が培われることとなりました。近年、夏季大会については、ブロック開催から1県単独開催の傾向にあり、開催県のスポーツ水準の向上に大きく貢献しています。
ボート競技の見どころ
 
 平成16年度全国高等学校総合体育大会での競漕距離は、種目・男女とも1,000mです。
 
 スタートには各レーン(漕路)ごとにスティクボートが固定されており、出漕クルーは、このスティクボートに艇尾をつけ、艇首をゴールに向け発艇線(スタートライン)に並びます。
 
 発艇時間になりますと、発艇員(スターター)は「スタート用意」の予令の後、各艇の準備完了を確認してから、「用意」次いで「ゴー」の号令と共に、赤い小旗を振り下ろして発艇させます。これがボートレースのスタートです。
 
 勝敗は、艇の先端が決勝戦(ゴールライン)に到着した順序で決めますが、レースの途中でコースの侵害、妨害等がありますと、その競漕艇は除外又は失格となる場合があります。
 
 また、スタートで2度フライング(不正スタート)を犯すと、その艇は競漕から除外されます。レーン(漕路)の呼び方は、判定所のある側から1レーン・2レーンの順に呼びます

  

   

  

(中)芦田川大橋上から小水呑橋近くのスタート地点を…

   

レースの見どころ
 
 スタートした各艇は非常に高いピッチで漕ぎ出しますが、これがスタートダッシュです。20本から30本まで漕ぐと普通の漕ぎ方になります。(セトルダウンといいます。)
 
 各クルーはそれぞれ固有のピッチ(コンスタントピッチ)をもっています。スタートでリードしてそのまま逃げ込む作戦の場合は、スタートダッシュが長くなります。またレースの途中で急にピッチが高くなることがありますが、これはミドルスパートです。ボートレースでは、水があいた場合その差を縮めるには、よほど力漕しないと差は詰まりません。
 
 リードされたクルーは差を縮めようと、リードしているクルーは更に水をあけて勝負をつけようと懸命に力漕します。10センチを競うような接戦になりますと、スパートは極めて重要な作戦になってきます。どのクルーもゴール前100m付近で最後の力漕にはいります。これがラストスパートです。
 ボート競技のタイムは、風・波・水深等によって大幅に左右されるので、公認記録制度はありませんが、男子舵手つきクォドルプル(4人乗り)では静水無風状態の場合、1,000m3分20秒前後、シングルスカル(1人乗り)で3分35秒前後で優勝が争われるようです。
 また女子は男子に対して、35秒ほどのタイム差があるようです。
 
 ボートレースでは、シングルスカルを除けば完全な団体競技で、「一艇ありて一人なし」といわれるように、他のスポーツと異なり個人的な離れ業やファインプレーというものは全くありません。
 
 また、一瞬にして勝敗が逆転するようなスリル感もありませんが、全国各地の予選を勝ち抜いてきた各都道府県の代表選手は、郷土の栄誉を担って力の限り力漕いたします。
 
 どのクルーもほとんど年間を通して練習を続けますが、ボートレースの数は必ずしも多くありません。僅か4分前後のレースに負ければ翌年までチャンスはありません。選手も監督もマネージャーも、1年に及ぶ精神の結果をたった4分前後に注ぎ尽くすのです。
 
 重ねた練習の力と技を、青春の意気で遺憾なく発揮する熱戦が展開されることでしょう。また、上位入賞を目指すチームの作戦をあれこれ想像しながら観戦するのも楽しみの一つでしょう。

  

   

  

← 戻る  Contentsに戻る  トップページに戻る  進む →