しまなみ海道の新イベントに感動与える進水式
内海造船叶」戸田工場 進水式(1/2)

 
内海造船叶」戸田工場
しまなみ海道の新イベントに感動与える進水式7月22日一般公開

 内海造船叶」戸田工場は7月22日午後2時55分進水予定の大型貨物船の一般公開をする。

 進水式は、陸上で建造した船を船台から海上に浮かべる緊張と感動を覚える最高のイベント。最近は船台建造が少なくなったうえ、船台上の進水滑走台を滑らせるヘッド進水の方法が少なくなった。
 同社では、この感激を一般公開して2年目になる。

 ちなみに週末進水式の一般見学者数は、平成11年7月12日(日)1,300人、平成11年1月17日(日)2,500人、平成11年6月12日(土)1,700人、平成11年10月23日(土)500人だった。

後継者不足の造船業界

 観光船からタンカー、巡視船まで、船なら何でも建造すると自負する内海造船鰍フ設計、技術スタッフ陣。だが、造船業界では従業員の高齢化が全国的に加速して来た。

 '80年代半ばの造船業界の構造的不況は島しょ部の中核的な存在だった日立造船因島工場が新造船を撤退、設備や人員の大幅削減で製造業離れの傾向が強くなった。

 中国運輸局が調べた因島市や周辺町村の造船関連222社を対象に実施したアンケートでは男性従業員のほぼ4人に3人は40歳以上。その人達が定年を迎える5〜10年後は、技術者不足が深刻になる。

 '90年代のリストラの後遺症を払拭、元気を取り戻すにはこれしかない、と同社が踏み切ったのが進水式の一般公開。それも土・日・祝日の実施である。一般公開ともなれば、保安や駐車場確保の他に従業員の休日返上出勤などの問題を抱える。なによりも進水のタイミングの調整が大変だ。大潮の満潮時、大安か友引の日がら、船主の意向など数々の困難がある。

 これらをクリアしての今年後半の進水日程は7月22日(土)15時ごろ、9月16日(土)13時ごろ、11月3日(祝)8時50分ごろ、12月23日(祝)10時15分ごろ、と決まっている。

進水式で魅力訴え

 「若者に船づくりの感動を覚えてもらい、熟練が必要な技術の担い手を確保したい」との願いから始まった進水式の一般公開は7月22日(土)で5回目を迎えるが、既に5,000人を越える観覧人員を動員、求人確保の一助に確かな手応えを感じている。

 そして、しまなみ海道の観光客をひとり占めしている瀬戸田町へ新たなイベントが加わり、ツーリスト会社は「感動、大型新造船進水式特別見学ツアー」を募集するなど地元観光客誘致への波紋を広げている。

 そして、同社のジンクスに「進水式は必ず晴れる」という造船マンの自然からの褒美があるという。

  


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